ヘッシェル

久しぶりの本の塔ですね。今回はA.J.ヘッシェルの『神と人間のあいだ』(教文館)です。
ヘッシェルの生涯を、この本の訳者あとがきから拾ってみましょう。

──九歳で父を亡くし、成人後はナチによるホロコーストで母と三人の姉を殺され、みずからも危うく殺害を免れて米国に亡命したという悲運にもかかわらず、聖書の啓示する憂慮の神への信仰によって希望を失うことなく、トーラー(聖書の神の教え)の真理を説くことと、虐げられている人々の解放に献身し続けて、一九七二年に六五年の生涯を終えた──

さて、「本の塔」なので、まだ未読なんですね、この著作は。だから偉そうなことは言えませんが──。
神への信仰を説くヘッシェルの言葉は何か私たちにうったえるものがあるように感じます。全てを排除して、神の前に独り立つ時に、形ばかりの信仰は色を失い、本当の信仰が何であるかを考えさせられるのではないでしょうか。その時初めて私たちは私たち自身と向き合うことになるのかもしれません。